この本は、1万8000人のビジネスパーソンを定点カメラ、ICレコーダー、GPSで調査し、AIで分析した結果、社内のトップ5%の成果を残す人はどのような働き方をしているのかについてまとめた本です。
当然、調査対象の本人は自分がどのカテゴリに入っているかは知らずに、いつもどおり働いてもらい、調査を重ねたそうです。
「メールの返信が早い」、「社内の色々な部署とコミュニケーションを取っている」といった他の本でも見たことのある内容から、あえて「小さな失敗をする」「笑顔を連鎖させる」と言った、初見のものも数多くありました。
ただ、この本で伝えたいのは、1つ1つの細かいTIPSよりも、もっと根本的なものだったように感じました。さっそくご紹介します。
ちなみに、この本は先日学んだ読書術で読破してみました。
1.意識を変えるより行動を変える!
著者の越川さんは、冒頭でこのように述べています。
本書で紹介する成功パターンは、すぐにパッと魔法のように成果がでるわけではありません。(中略)成功に向けた行動実験をするための材料です
はじめにより
また、5%社員の特徴として、その約7割の人が、「意識を変える前に行動する」とも言っています。
意識を変えて行動するのではなく、行動を変えることによって意識が変わるのです。行動をしてみたら変化が起きたことを自覚し、「行動を起こすことに価値がある」という意識に変わるのです。
P.35より
ウイリアム・ジェームズさんの言葉で、『心が変われば行動が変わる、行動が変われば〜』の一節がありますが、ここで言う心=意識だとばかり思っていました。そうではなく、何かをやってみようという、少しの心の動き出しで行動が変わり、その行動の延長で意識が変わっていくのだと思いました。
習慣化のコツは、スモールスタートがコツの1つと言われています。
例えば、ランニングの習慣を作りたかったらまずウェアを着るだけの日を作る、
次は、ウェアを着て外に出てみる、
その気になったら歩いてみる、走ってみる、
とやっていくと、少しずつ習慣化していくそうです。
行動よりも意識を優先して、「今日から○km走る!」と宣言しても、続かないのは良くある話です。
2.取り入れたい、トップ5%社員の行動パターン
トップ5%の実績を残す社員と聞くと、もはや雲の上の人。少しでも行動を真似できれば御の字です。
取り入れたいと思った、トップ5%社員の行動パターンを少しご紹介。
生活の中に、他人と交わらない1人だけの時間を作って、自分の行動や世の中の出来事を振り返る(中略)「内省」を繰り返していけば、自分なりの価値観、判断軸ができて、意見を主張できるようになります。
先日、越川さんの講演を拝聴する機会がありましたが、その中でもこの行動パターンについては話が出ていました。金曜日の午後、15分スケジュールに入れて振り返りの時間を持つと良いと話をされていました。
幸せを感じるのはいつですか?という質問に対して、一般社員の57%は「土曜日の朝」と答えたのに対して、トップ5%社員は「金曜日の夜」と答えています。(中略)彼らの62%が達成感をもったときに働きがいを感じています。仕事から解放される喜びではなく、達成と成長を目指し、それを感じられた時に幸せを感じているのです。
金曜日の夜に幸せを感じるのは私も同じなのですが、それはあくまで解放感。「あー1週間終わった!」という思いです。
トップ5%の人が、「金曜日の夜」に幸せを感じているのは、自己実現欲求を満たすことを目指しているからだそう。自分が目指す姿に近づいていくことを考えて、仕事にあたっているからだそうです。
「だけど」「でも」「どうしても」「ですから」というダ行の言葉を使って話す頻度が5%社員は少ない。ダ行は断定しているように聞こえるため、聞き手に取って耳障りが悪く、言い訳に聞こえてしまう。
「そうですか」「そうしたら」「しかし」「失礼しました」「承知しました」などが相手の感情を逆なでしない言い方です。
「でも」や、例にはありませんでしたが「だって」というのも、私自身使いがちなダ行言葉です。この行動パターンは、すぐに取り入れました。
3.まとめ
最後に、著者の越川さんはこう述べています。
意識が変わることを待っていたら、5年も10年もかかりますから、ほんの少しだけ行動を変えてみてください。そうすれば、未来の選択肢が増えるはずです。
あとがきより
この本の中で一貫して伝えられている1つのメッセージは、意識を変えるより、行動を変えること。人は1日に9000回ほど選択をして行動していると言われています。
その選択を、少しでも変えて行動に結びつけることができる本だと感じました。
それでは、今日はこの辺で。